メンタルヘルス

体の健康維持にはメンタルヘルス(心の健康)もかかせません。COVID-19が流行しソーシャルディスタンスやリモートワークが避けられないなか、心の健康状態をたもつための10か条を意識しましょう。


目次

  1. 規則的な生活を心がける

  2. 起床・就寝時刻を定める

  3. 日の光を浴びる

  4. 体を動かす

  5. 食事時間を決める

  6. 人との交流をはかる

  7. 趣味の時間をとる

  8. 睡眠の質をたもつ

  9. COVID-19について、信頼できる情報を得る

  10. 不安やストレスはかかえこまず相談窓口を頼る


1. 規則的な生活を心がける

自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まっておこなう日課、ルーティンを決めましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、毎日おこういくつかの活動はやる時間を決めましょう。

2.起床・就寝時刻を定める

自分自身に合った起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つ ようにしましょう。決まった時刻に起床・就寝することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。

3.日の光を浴びる

毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう(密閉・密集・密接 の 3 密の状況を避け、一人でいられる場所で)。たとえばベランダや自宅の庭での日光浴でも大丈夫です。もしあなたが外に出られないとしても、少なくとも2時間は窓際で過ごし、心の落ち着ける時間を持ちましょう。また短時間でも午前中の早い時間帯に日光を浴びるようにしましょう。体内時計の時刻合わせには朝の光が欠かせません。

4.体を動かす

毎日、運動をしましょう。短時間のワークアウトや簡単なストレッチでも大丈夫です。日の光を浴びて体を動かすことができれば理想的ですが、室内でオンラインのフィットネス動画やアプリを利用しておこなっても大丈夫です。できれば毎日、同じ時間帯でおこないましょう。

5.食事時間を決める

毎日、同じ時間帯に食事をしましょう。食事の時間になっても食べたくない時もあるかもしれませんが、少量でも良いので何かを口にしましょう。

6.人との交流をはかる

人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。ビデオチャットや音声通話でコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。できれば毎日、 同じ時刻にコミュニケーションする機会をもちまし ょう。

7.趣味の時間をとる

日常のサイクルのなかに自分の好きなこと、趣味の時間を加えましょう。たとえば映画やドラマを鑑賞する、読書する、ヨガやストレッチ、新しい料理にチャレンジするなどです。ゲームなどをする場合は就寝時間に近い夜間を避けましょう。

8.睡眠の質をたもつ

夜の深い眠りの妨げにならないよう日中の昼寝、特に午後遅くの昼寝は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも 30 分以内に抑えましょう。また夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピューターやスマートフォンのディスプレイも含まれます。ブルーライトは睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまいます。

9.COVID-19について、信頼できる情報を得る

現在、コロナウイルス COVID-19についてたくさんの情報が氾濫しています。なかにはフェイク・ニュースと呼ばれる科学的根拠がなく、不安を煽るだけの情報もあります。具体例として、情報源があきらかでないSNSの噂などにまどわされないようにしましょう。また情報を調べる際、たとえば朝夕に15分ずつなど時間を決めてみましょう。長時間、情報の渦にはまりつづけることはストレスにつながります。

10.不安やストレスはかかえこまず相談窓口を頼る

社会的距離確保中のストレス、感染への不安、減収や解雇などの悩み・・・COVID-19の感染が広がる現在、パニックになったり不安に陥ったりするのはおかしいことではなく、危機に立ち向かおうとする人間の本能として正常な反応です。自分だけがおかしいのではないかと1人で抱え込まず、行政やNPOの相談窓口を利用しましょう。

メンタルヘルスに関する情報・各種相談窓口

厚生労働省が運営する働く人のためのメンタルヘルス・ポータルサイトです。

産業カウンセラー等の専門家によるメール相談なども受け付けています。

NPO(特定非営利活動法人)東京メンタルヘルス・スクエアが運営するサイトです。

低価格のカウンセリングや、無料の電話悩み相談を実施しています。

有志医療者によるWHOのメンタルヘルスに関する注意文 ”Mental Health Considerations during COVID-19 Outbreak” の日本語訳です。

参考文献
1)国際双極性障害学会(時間生物学・時間療法タスクフォース)、光療法・生物リズム学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、 こころの健康維持のコツ: 先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう」(日本語訳: 宗未来、東京歯科大学)、https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/2020-04-07-covid-19.pdf (2020年4月11日閲覧)
2)Bundeszentrale für gesundheitliche Aufklärung, „Psychische Gesundheit in der Corona-Zeit“,https://www.infektionsschutz.de/coronavirus/psychische-gesundheit.html#c12550 (German, 2020年4月11日閲覧)
3)NHK NEWS WEB「新型コロナ “1人で悩み抱え込まないで” 相談窓口の利用を」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012372421000.html (2020年4月11日閲覧)
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