HK MASK
COVID-19の拡散抑制のためにマスクは欠かすことができません。今回、香港の化学博士K. Kwong 博士が発明した「HK マスク」をもとに、布マスクの作り方と装着方法、洗浄方法を紹介します。「高い効果」「材料費が安い」「作り方が簡単」のHKマスクをつけて、COVID-19の拡散抑制に努めましょう。
1.HKマスクとは
HKマスクは、使い捨ての中間層フィルターを備えた再利用可能な布マスクです。2020年、COVID-19が発生した際に、K. Kwong博士によって発明されました。
HKマスクのデザインは、市場に出回っている3層サージカルマスクのデザインを参考に作られました。HKマスクは、外層布と内層布の布マスクと、その2枚の布の間に入る中間層フィルターで構成されています。
中間層フィルターには、ティッシュペーパー、キッチンペーパーを使うため、いつも綺麗な状態を保つことができます。外層布・内層布の洗浄・除菌を行うことができ、マスクを安全に、そして安心して使うことができます。
引用元 HK Mask 公式サイト
2−1.HKマスクの安全性 中間層フィルターの実験結果
微粒子ろ過効率(以下、ろ過効率)と呼吸に関する実験が2020年2月20日に行われました。(今後専用のナノファイバーの開発される予定です。)
左図はろ過効率と呼吸に関する実験結果です。外層布と内層布だけでは、ろ過効率は8.70%と低く、微粒子の影響をとても受けます。中間層フィルターにティッシュペーパーを1枚入れると45.75%、2枚、3枚と増やすことで、ろ過効率が高まり、微粒子の影響を受けにくくなります。
また、キッチンペーパーの場合、1枚で73.70%と、ろ過効率は高い効果が見られます。2枚、3枚と増やすにつれ、効果は高まる一方、PD流量は60%を越え、呼吸しにくくなります。
2−2.中間層フィルターの補足
2−1図に書かれた(0+45°)や(0+90°)について、解説します。
どの紙も縦と横で、繊維の流れ(向き)が変わるという特徴があります。その紙の特徴を活かすことで、ろ過効率を調整しています。
また、ろ過効率とともに、呼吸のしやすさも変わります。例えば、2枚のキッチンペーパーのように、どれだけろ過効率が高くても、呼吸しにくければ、毎日使うことができません。
毎日使いやすい、自分にあった、中間層フィルターを探しましょう。
3.マスクの作り方
HKマスクは、断裁から縫製まで、約10分間の解説動画が用意されています。一度ご覧いただき、以下の工程に進んでください。
詳しくは、HKマスクの作り方(動画) を参照ください。
3−1.材料
材料は、外層布1枚、内層布1枚、ワイヤー1本、ゴム紐2本、布紐2本をご用意ください。(動画ではHKマスクキットで紹介されていますが、日本国内では流通していません)
布のサイズは型紙によって異なります。
裁縫道具は、チャコペン、巻き尺、紙切りハサミ、布切りハサミ、糸切りハサミ、まち針、針山をご用意ください。
ご家庭にミシンがあれば、作業効率が上がります。
3−3.型紙の解説と準備
型紙には向きがあり、型紙の右側にマスクの中央、左側にマスクの側面が描かれていてます。
また、型紙の右端に10cmの寸法が描かれていますので、縮尺に間違いがないか、巻き尺で測って確認しておきましょう。
型紙の一番外側にある実線はマスクの外層布、その内側にある太い点線はマスクの内層布の型紙が描かれています。細い点線は縫い目のガイドです。
型紙は普通紙で十分です。型紙は2枚印刷して、外面と内面の線に沿ってカットして、それぞれ一枚ずつ型紙を準備しましょう。
3−4.裁断
外層布と内層布ともに、布の裏地が外向きになるように半分に折ります。生地の上に型紙を置き、型紙をまち針で留めます。外面は端をカットした後にノッチホールと書かれた箇所に切り込みを入れます。内面は端をカットして裁断の工程は完了です。
3−5.縫製(1) 外層布と内層布のマスク中央
裁断した布を縫製していきます。まずはマスクの中央を縫います。生地の1cm内側を縫います。この時、生地は切ったまま(布の裏地が外向き)で縫製をしましょう。縫い終わったら生地を広げます。
※画像:Wrong Side(底)は、布の裏地を指します。
3−6.縫製(2) 外層布の上部
次に、布の裏地が見えた状態で、生地の上側を1cm内側(裏面)に折ります。折り位置を固定するように、一つ目のノッチホールの位置まで縫います。続いて、ノッチホールにワイヤーを差し込み、折り位置を端まで縫っていきます。
3−7.縫製(3) 外層布の下部
同様に布の裏地が見えた状態で、生地の下側をおよそ1cm内側に折ります。この折り位置を固定するように端まで縫っていき、外層布の縫製は完成です。
3−8.縫製(4) 内層布の上部と下部
続いて内層布を縫っていきます。布の裏地を上向きに、生地の上側と下側をおよそ1cm内側(裏面)に折ります。折り位置を固定するように端まで縫っていきます。
3−9.縫製(5) 外層布にゴムを取り付ける
外層布の表地が見えた状態で、外層布の両側にゴムを入れます。ゴムの位置は、型紙のelastic placementの位置にマーカーをします。ゴムを画像の位置に固定し、布の端からおよそ1cmの位置を縫っていきます。
※画像:Right side(面)は、布の表地を指します。
3−10.縫製(6) 外層布と内層布を縫い合わせる
外層布と内層布のどちらも裏地が外向きになるように置き、両端をおよそ1cm縫い合わせていきます。先ほどのゴムの位置はそのまま縫い合わせてください。縫い合わせた後、両端の余分な部分(およそ0.5cm)を切ります。切った後は、布が表地になるように返します。
3−11.縫製(7) 両端に紐を通す
外層布と内層布の間に紐を通し、端に固定します。紐を縫わないように、端からおよそ1cmの位置を2枚の布の上から縫っていきます。
3−12.縫製(8) 仕上げ
中間層フィルターがマスクの下から落ちないよう、マスクの下部を1cmくらいの幅で、小さな長方形を作ります。この時2枚の布の上から縫います。次に、外層布の上部にあるワイヤーが滑り出ないようにワイヤーの両側を縫います。最後に、両端の縦に通る紐の両端を球になるように結び、HKマスクは完成です。
4.マスクの装着方法
HKマスク、アルコール消毒液、中間層フィルター(ティッシュペーパーまたはキッチンペーパー)を準備します。まず、アルコール消毒液を手に満遍なく塗ります。次にマスクの2枚の布の間に中間層フィルターを取り付けます。そして、マスクのゴムを耳にかけ、最後に、首と頭の後ろでマスクが落ちないように紐を結び、装着完了です。
なお、装着方法のマニュアルは多言語対応されています。
装着方法のマニュアル(日本語)
装着方法のマニュアル(多言語)
5.マスクの洗浄方法・メンテナンス方法
HKマスクは、中間層フィルターをはずし、化学薬品は使わず、石鹸と水で洗います。水でしっかり流し、乾かします。乾いた後に、アイロンをかけて洗浄は完了です。
HKマスクは一般的なサージカルマスクと同じく、4時間ごとに、中間層フィルターの交換または、HKマスク本体を交換することを推奨しています。
Dr, K. Kwong
Source : https://www.facebook.com/masksbyhongkongers/