新型コロナウイルス感染症 COVID-19

新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください

上の図はCOVID-19の典型的な症状と経過をまとめたものです。中国の4万人のデータの報告によると感染が確認された人のうち約80%は軽症ののち回復し、残り約20%が肺炎などを患って入院に至ります。約5%の症例で人工呼吸器等を使った集中治療が必要になり、2~3%の割合で致命的になりえます。COVID-19では風邪やインフルエンザと比べて症状が長引くことも特徴です。

ウィルス生存時間ポスター

新型コロナウィルスは、材質によっては表面で3日間程度生き残ることが報告されています。思ったよりも長いと感じた方も多いのではないでしょうか。この事実を広く伝えるビジュアルをつくりました。A4サイズのPDFがダウンロードできるので、コンビニなどでプリントして、業務の際や周囲の方への啓発にご利用ください。

Q&A

新型コロナウィルスに関する様々な疑問について、医学的知見に基づいて解説しました。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは?

複数の種類が存在しているコロナウイルスとは、動物やヒトに病気を引き起こす可能性のあるウイルスの大きなファミリー(科)の1つです。

今回発生している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はベータコロナウイルス属に分類されます。

これは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)との遺伝子相同性が高く(約80%程度)、SARS-CoVと同じ受容体(ACE2)を使いヒトの細胞に吸着・侵入することが最近研究報告されています。

そして、この新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が引き起こす、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群(SARS)や、中東呼吸器症候群(MERS)同様、感染症法では、二類感染症と分類されます。これらの感染者が見つかった場合、病気の伝播を抑えるために、感染症法に従った感染拡大防止措置がとられます。なぜなら、危険な病気であると認識されているからです。

一方、ヒトに感染し、風邪などの症状を引き起こすその他のコロナウイルス(HCov-229E, HCov-OC43, HCoV-NL63, HCoV-HKU1)は、特に危険な病原体ではないため、感染症法での指定はありません。

コロナウイルスのなかまは、エンベロープという、脂質膜でできた殻を持っています。これが壊れると失活します(生物ではないので「死ぬ」と言わず、「失活」つまり「活動性を失う」と表現します)。アルコールや、石鹸などの界面活性剤が有効なのは、この脂質でできた殻を分解して壊すことができるからです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、最近発見されたコロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症です。この新しいウイルスと病気は、2019年12月にアウトブレイクが起きて初めて発見されました。

新型コロナウイルスの潜伏期間はどのくらいですか?

「潜伏期間」とは、ウイルスに感染してから病気の症状が出始めるまでの期間を意味します。新型コロナウイルスの潜伏期間は、1日から14日の範囲で、最も一般的には5日前後と推定されています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状は?

新型コロナウイルス感染症の最も一般的な症状は、発熱、倦怠感、乾いた咳です。患者さんによっては、筋肉の痛みや頭痛・鼻づまり・鼻水・喉の痛み・下痢などの症状が出ることもあります。これらの症状は通常軽度で、徐々に発症していきます。突然、匂いや味を感じなくなることも、よく見られる症状です。しかし中には、感染しても症状が出ず、体調不良を感じない人もいます。

多くの人(約85%)は特別な治療を必要とせずに回復します。新型コロナウイルスに感染した人のうち重症となるのは6人に1人(約15%)で、肺炎により呼吸困難になります。高齢者や、高血圧・心臓病・糖尿病などの基礎疾患(持病)を持つ人は、重症化する可能性が高くなります。発熱・咳・呼吸困難(動くと息苦しくなるのも呼吸困難に含みます)などの症状が出た人は、なるべく早く医師の診察を受ける必要があります。

新型コロナウイルスはどのようにして広がる?

新型コロナウイルスに感染した人が咳をしたり、しゃべったり、息を吐いたりすると、鼻や口からウイルスを含んだ小さな飛沫が飛び散ります。これらの飛沫は人の周りの物の表面に付着します。他の人がこれらの物の表面に手で触れた後、同じ手で目や鼻、口に触れることで新型コロナウイルスに感染します。このため、こまめに手洗い・手指消毒を行うことが重要です。

また、新型コロナウイルスを持つ人が咳をしたり、しゃべったり、息を吐いたりして生じる飛沫を直接鼻や口から吸い込んだ場合も、新型コロナウイルスに感染する可能性があります。このため、病気の人や発症前の無症状の人からも2メートル以上離れていることが重要です。

新型コロナウイルスは症状のない人からでも感染する?

新型コロナウイルスに感染してから平均的に4日くらい経ってから症状が出ます。ところが、ウイルスが鼻汁や唾液の中に沢山出て来て、人に感染させるようになるのは発症の3日くらい前からで、特に発症前日あたりが一番伝染力が強いということが分かってきました。つまり、全く症状の無い人からも感染するのです。したがって、症状がなくても布マスクを着用することで感染の広がりをそれなりに防ぐことができる可能性があります。ただし、医療用マスクは世界中で欠乏しており、医療機関で用いられるために節約されるべきです。

新型コロナウイルスは空気感染する?

新型コロナウイルスの原因となるウイルスは、主に感染者が咳やくしゃみをした時、しゃべった時に発生する飛沫を介して感染します。これらの飛沫は、空気中に浮遊するには重すぎるため、すぐに床や表面に落下します。

新型コロナウイルスに感染している人から2メートル以内にいる場合はウイルスを吸い込んだり、汚染された表面に触れて、手を洗う前に目、鼻、口に触れたりすることで感染します。

ただし、マイクロ飛沫と呼ばれるウイルスを含んだ微小な粒子は最低でも20-30分間空気中を漂うことが分かっています。マイクロ飛沫による感染は状況証拠として、あるらしいということになってきたため、換気を行った方が安心して過ごすことができます。マイクロ飛沫から感染が広がるらしいということが、この頃分かってきたため、日本の予防の中心である「三密を避ける」を世界に広める必要があります。

麻疹や結核のような広範囲で高度の空気感染をすることはないと言われています。

新型コロナウイルス患者の排泄物から感染しますか?

患者の排泄物から感染が広がるかどうかについては、世界中で研究が続けられていますが、感染者の糞便から新型コロナウイルスに感染するリスクは低いようです。糞便中にウイルスのRNAが存在する場合もあることが示唆されていますが、感染力はないようで、この経路での感染拡大は今回の流行の主役ではありません。とはいうものの、排泄物に触れることは他の感染症も含め病気のリスクであるため、トイレに行った後は手を洗わなくてはならない理由のひとつとなります。

新型コロナウイルスに感染する可能性はどのくらいですか?

リスクはあなたがどこにいるかによって異なります - より具体的には、新型コロナウイルスの流行がそこで起こっているかどうかです。

現在、世界各地(都市や地域)で新型コロナウイルスの感染が広がっています。これらの地域に住んでいる、あるいは訪問している人々にとって、新型コロナウイルスに感染するリスクはより高くなっています。政府や保健当局は、新たな新型コロナウイルスの感染が確認されるたびに、積極的に行動を起こしています。旅行、移動、大規模な集会などについては、現地での制限を遵守するようにしてください。疾病管理の努力に協力することで、新型コロナウイルスに感染したり、感染を広げるリスクを減らしたりすることができます。

新型コロナウイルスの流行は、中国や他の国で示されているように、感染を食い止めることができます。しかし残念ながら、新たな流行が急速に発生する可能性があります。自分がいる場所、または行こうとしている場所の状況を把握しておくことが重要です。

新型コロナウイルスに感染後、回復しました。気をつけることはありますか?

重症化した人は、中和抗体(再感染予防に役立つ抗体)ができることが分かっていますが、軽症で済んだ人では、抗体ができていないことがあることも分かってきました。また、抗体ができたとしても、それが役に立つ抗体なのかは分かりません。ですから、またウイルスに晒されると感染してしまう恐れがあります。マスク、ソーシャルディスタンス、三密を避けるなど、通常の感染予防につとめた方がいいでしょう。

新型コロナウイルスについてどれくらい心配する必要がありますか?

新型コロナウイルス感染による病気は一般的に軽症で、特に子供や若者では軽です。しかし、重症化する可能性もあります感染した人の5人に1人は入院が必要となります。そのため、新型コロナウイルスが自分や愛する人にどのような影響を与えるのかを心配するのは、ごく普通のことです。

私たちは、自分自身、愛する人、そして地域社会を守るための行動をとることができます。これらの行動の中で何よりもまず、定期的かつ徹底的な手洗いと咳エチケットを行うことが大切です。第二に、旅行、移動、集会などの制限を含め、情報を常に入手し、保健当局のアドバイスに従うことです。


新型コロナウィルス感染症は、いままで誰も罹ったことのない病気です。ですから免疫を持った人がいません。爆発的に感染が増えて行く可能性があるのです。どういうことかというと、たとえば普通のインフルエンザは、罹ったことのある人が一定の割合いるので、社会の全員には伝染しません。したがって罹っている人が多くとも、その数が急激に増えることはありません。しかし、新型コロナウイルス感染症はそのウイルスを一定量吸い込んでしまった人すべてが発症する可能性があり、つまり感染者数が爆発的に増えるのです。そして感染者の15%は重症化するので、重症化する人の数もどんどん増えて、病院のベッドや人工呼吸器などの機械も足りなくなってしまい、数が少なければ助けられる人も、治療を受けられず助けられなくなってしまいます。またコロナウイルス感染症を診るのに人手やベッドを取られてしまい、今までなら治療できていた心筋梗塞や癌などの重い病気を治療する余力が足りなくなってしまいます。つまり、普段なら助かるはずの人が沢山死んでしまいます。これが医療崩壊です。これを起こす可能性があるので、新型コロナウイルス感染症は非常に怖い病気なのです。

重症化するリスクがあるのはどんな人ですか?

高齢者や持病(高血圧、心臓病、ぜんそくなどの呼吸器疾患、がん、糖尿病など)がある人は、そうでない人よりも重症になる確率が高いことが分かっています。また、喫煙も重症化のリスクになります。今が禁煙の機会です。健康な人や若者の何倍重症化しやすいかについては、世界中で研究が続けられています。

抗生物質は新型コロナウイルスの予防や治療に有効ですか?

新型コロナウイルスはウイルスですので、抗生物質は効きません。抗生物質は新型コロナウイルスの予防や治療の手段として使用すべきではありません。細菌感染症を治療するために医師が処方した時にのみ使用するべきです。

新型コロナウイルスを予防・治療できる薬や治療法はありますか?

西洋医学、伝統的な治療法や家庭での治療法は、新型コロナウイルスの症状を和らげてくれるかもしれませんが、現在のところ、特定の薬が新型コロナウイルスを予防したり、治したりできるという証拠はありません。いくつかの有望な薬について世界中で臨床研究が行われています。これらの薬は新型コロナウイルスに効く可能性もありますが、副作用も起こりえるため、医師が必要と判断した時以外は使用されるべきではありません。海外では死亡例も出ており、安易なセルフメディケーションは勧められません。

重症化を防ぐ薬については、幾つかの薬が有望である事が分かってきました。現在世界中で治験が進められています。

動物やペットから新型コロナウイルスに感染することはあるのでしょうか?

元々多くの種類のコロナウイルスが動物を宿主としています。時折、人がこれらのウイルスに感染し、さらに他の人に感染ることがあります。例えば、SARS-CoV1 はジャコウネコに由来しており、MERS-CoV はヒトコブラクダに由来します。新型コロナウイルスが動物から感染するかどうかは、まだ確認されていません。

自分の身を守るためには、生きた動物を扱う市場を訪れる場合など、動物との直接の接触を避けてください。常に食の安全を確保してください。生肉、牛乳、または動物の内臓を注意して取り扱い、未調理食品の汚染を防ぎ、生または調理不足の動物製品を摂取しないようにしてください。

新型コロナウイルス感染後、免疫はつきますか? 再感染はしますか?

感染症の中には、一度感染して回復すれば抗体ができ、生涯にわたる免疫獲得となるものがあります(はしかなど)。

新型コロナウイルスを含むRNAウイルスについては一般に抗体ができるまでに約3週間かかるといわれていますが、新型コロナウイルスについては抗体ができるまでの期間がまだはっきりわかっていません。また抗体ができたからといって、免疫獲得を意味するのかも議論されています。

仮に抗体ができ免疫がついたとして、どれくらいの期間免疫が持続するのかもわかっていません。たとえば2002年から2003年について流行したSARSコロナウイルスの免疫期間は2−3年だといわれています。


再感染について、一部の国では回復後のウイルス検査で陽性結果が出た例があります。ただし、この結果についてはいくつかの要因が考えられています。可能性が高いのは、最初のウイルスが排出されきらずに休眠・無症状状態で体内にとどまっていたため。加えて抗体検査の精度が完全ではなかったため、実際にはウイルスが消失していないのに検査で陰性(偽陰性)とでた可能性もあります。

新型コロナウイルス の抗体と免疫についてはまだわかっていないことがたくさんあります。ウイルスに感染後、回復したからといって安易に出歩くことは、あなた自身だけでなく周りの人たちの感染リスクを高めることになるかもしれません。感染予防の基本を守り(手洗い、他人と一定の距離をとるなど)、ウイルスの感染拡大をふせぐ行動をこころがけましょう。


抗体検査について知りたいです。

抗体検査についてはいくつかの簡易検査キットが市場にでまわっていますが、それらの精度がじゅうぶんでないとしてWHO(世界保健機関)は個人での使用について警告しています。欧州などでは研究所による大規模な抗体検査がおこなわれていますが、集団の抗体獲得と集団免疫についてはまだ研究がすすめられている最中です。

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